自毛植毛のメリットとデメリット

AGA治療
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「薄毛をどうにかしたい…」「ハゲを今すぐに直したい!」そんな要望に応えるのが自毛植毛です。
文字通り自分の髪の毛を植毛することから、ナチュラルに薄毛状態を改善することができます。
そんな自毛植毛ですが、手術による植毛となるため当然メリットだけでなくデメリットも発生します。自毛植毛には基本的に「FUE法」と「FUT法」の2種類があるので、手術方法別にメリットとデメリットをご紹介します。自毛植毛の手術を検討している方はぜひチェックしてください。

自毛植毛はAGA治療に有効な治療方法のひとつ

自毛植毛とは患者さん自身の側頭部や後頭部に生えている健康な毛髪を前頭部頭頂部などの薄毛が発症している部分に移植する植毛法のことです。

自毛植毛では自己の毛髪を使用するため、採取した毛髪が移植部位に定着しやすく、人口毛の植毛でみられるような感染症や拒絶反応の心配もありません。

自毛植毛は他の薄毛治療法と比べて効果が出るまでの時間も短く、施術終了後は基本的にはメンテナンスも不要で効果が持続するなどのメリットがあります。

また、自毛植毛は日本皮膚科学会が提唱するAGA診療ガイドラインにおいても上から2番目の推奨度であるランクBに位置しており、高い効果を期待できる治療法として幅広く認知されています。

自毛植毛にはFUE法とFUT法の2種類がある

FUE法は従来からある自毛植毛の術式であり、メスを用いないことを特徴とします。
メスによる切開を必要としないため、傷跡ができにくいなどのメリットがありますが、毛根の切断率が高いため、施術には高度な技術が必要となります。

これに対してFUT法とはメスによる皮膚の切開をともなう手術です。皮膚を切開するため、FUE法に比べると身体的な負担や精神的な負担が大きく、術後は傷が目立たなくなるまでにも時間がかかります。

一般に、自毛植毛は自由診療であり手術費用はおよそ60万円程度~200万円前後と大変高額になります。このため、効果は高いものの、他の発毛剤や育毛剤の治療のように気軽に始められるものではありません。

また、治療には大がかりな施術が必要となり、術後もしばらくは腫れや傷跡が残ることから社会人の方などは慎重に施術の時期を調整しなければなりません。

こうした点から、自毛植毛はややハードルの高い治療法であると言え、他の安価な治療法では薄毛が改善しなかった方が最終手段として用いる方法であると言えます。

年代別で見ると、自毛植毛を受ける方が多いのは30~40代と言われています。この年代は金銭的にもある程度余裕があり、結婚や昇進を意識するため薄毛改善に対する思いも強いことが原因となっているのでしょう。

自毛植毛は費用が高額になるものの、収入が非常に高い人だけが受けるというわけではありません。平均的な年収のサラリーマンでも多くの方が施術を受けており、中でも営業担当者などのように見た目の印象を重視されるお仕事の方が多い傾向にあります。

自毛植毛「FUE法」とは

FUE法

FUE法とはFollicular Unit Extraction法の略称であり、メスを用いない自毛植毛を指します。

FUE法では後頭部や側頭部にパンチというくり抜き器具で1mm程度の大きさの穴を空けることにより、移植するための毛髪(グラフト)を採取します。グラフトとして採取する毛髪は1本ずつではなく、毛包単位でまとめてくり抜きます。

グラフトを採取した部分の頭皮には小さな傷跡が残りますが、極端に頭髪が短い方でなければ周りの髪に隠れるため目立つことはありません。傷跡はそのままにしておき、自然に塞がるのを待つことになります。

自毛植毛「FUE法」のメリット

それでは次に、FUE法にはどんなメリットがあるのかを見ていきましょう!

FUE法のメリット①術後の傷跡が少ない

FUE法のメリットとしては、メスを使わないため頭皮を切開したり縫合したりする必要がないことが挙げられます。このため、切開を伴う外科手術には抵抗や恐怖を感じるという方でも比較的安心して治療を受けることができます。

FUE法のメリット②痛みがほとんどない

FUE法の手術は局所麻酔下で行うため、痛みもほとんどなく、身体的な負担も軽いと言えます。術後の回復も早く、通常は1週間もたたないうちに赤みや腫れはひいていきます。

自毛植毛「FUE法」のデメリット

一方でFUE法には以下のようなデメリットも存在します。

FUE法のデメリット①毛髪の定着率が低い

FUE法における毛髪の定着率は一般に70~80%であると言われており、FUT法と比べてやや見劣りします。また、担当医の熟練度が結果に大きく影響すると言われていることからクリニックを選ぶ際には細心の注意が必要となります。

FUE法のデメリット②広範囲の薄毛には適さない

FUE法では一度に採取できる毛髪の量が限られており、大量の移植には不向きな手法と言えます。薄毛が広範囲に及んでいる方では複数回に渡って施術を行わなければならないこともあり、非効率になります。

FUE法のデメリット③費用が高い

FUE法ではグラフトを少量ずつ採取していくため非常に手間がかかり、費用もFUT法の1.5~2倍程度と高額になる傾向にあります。このため、より低コストでの治療を望まれる方には適さないと言えます。

こうしたFUE法のメリット・デメリットを考慮すると、FUE法が向いているのは薄毛の範囲が比較的狭い人や、ピンポイントで薄毛を治療したい方、施術による心理的・身体的負担を少なく抑えたい人といえます。

特に、仕事をしているため手術の後を目立たせたくない方や、生え際や頭頂部の狭い範囲に限定した治療を行いたい方などはFUE法を選択するメリットが大きいと言えます。

ただし、FUE法は一般に費用が高額になり、クリニックのスキルが結果に大きく影響する方法でもあります。治療を受ける際には後で後悔することのないように、事前に入念にリサーチをしたうえで最も信頼のおける医療機関を選ぶことが大切となるでしょう。

自毛植毛「FUT法」とは

FUT法

FUT法とはFollicular Unit Transplantation法の略称であり、メスを用いて毛髪を頭皮ごと切り取り薄毛部分に移植する自毛植毛を指します。

FUT法ではグラフト採取のために後頭部や側頭部の皮膚を約1cm×10~20cmほどの大きさで切り取って傷口を縫合するため、FUE法に比べてやや大がかりな手術となります。また、術後には頭皮に縫合の跡が残ることになります。ただし、通常は後頭部の皮膚を切り取るため髪を伸ばすことにより縫合跡を隠す事はできます。

自毛植毛「FUT法」のメリット

FUT法には以下のようなメリットがあります。

FUT法のメリット①多量の髪を移植できる

FUT法はFUE法よりも多くの髪を移植することができます。このため、広範囲に渡って薄毛が進行している人にはFUT法が適すると言えます。

FUT法のメリット②移植した毛髪の定着率が高い

FUT法は移植した毛髪の定着率が高いことでも知られており、高い成功率が期待できます。実際に、熟練した医師の手によるFUT法の毛髪定着率は95%にも達すると言われており、長期に渡って安定した効果を得たい方にはお勧めと言えます。

FUT法のメリット③費用が比較的安い

FUT法はFUE法と比較して費用が比較的安価に設定されていることもメリットの一つです。もちろん、服薬などと比べれば高額になるのは止むをえないですが、FUE法やHARG療法などと比べると割安な手法と言えます。

自毛植毛「FUT法」のデメリット

一方でFUT法には以下のようなデメリットもあります。

FUT法のデメリット①縫合部の傷跡が目立つ

術後に後頭部や側頭部に横長の傷跡が目立ってしまうのはFUT法の大きなデメリットと言えます。髪を伸ばせばある程度は隠すことはできますが、傷跡を残したくない方はFUE方を選ぶ方が無難と言えます。

FUT法のデメリット②術後に痛みを伴う

施術時には麻酔を用いるため痛みはそれほど問題とはなりませんが、麻酔の効果が切れたあとの痛みは比較的強いと言われています。また、後頭部につっぱるような違和感を感じることもあり、注意が必要です。

FUT法のデメリット③移植する毛包を選択することができない

ピンポイントで毛包を採取するFUE法と違い、FUT法では広範囲の毛包をメスで切り取るため、質の良い毛包だけを選んで切り取るといったことができません。このため、移植後の自然な仕上がりという点ではFUE法に比べて劣ることになるでしょう。

以上のようなメリット、デメリットを考慮するとFUT法は薄毛の進行が広範囲に渡っている方や、比較的安価な費用で自毛植毛を行いたい方に適していると言えます。

ただし、FUT法の実施にはやや大がかりな設備が必要となるため実施している医療機関は限られています。このため、治療を希望される方は事前にインターネットなどでリサーチし、受診可能圏内に実施医療機関があるかどうかを良く確認する必要があります。

まとめ

自毛植毛自体は体質的に治療薬を服用できない方や、即効性のある薄毛治療を行いたい方に大変有効な治療方法です。
FUE法とFUT法では移植できる量が異なるため、費用や手術内容も大きく変わってきます。
それぞれのデメリットとメリットについて医師と相談した上でどちらで施術を行うのか検討しましょう。
また、医師の腕によって仕上がりに違いが出るため、クリニック選びの際には年間の手術件数や医師のプロフィール等もチェックしておくことをおすすめします!

自毛植毛については、ぜひこちらもご覧ください。

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