毛母細胞とは

発毛にあたり重要な役割を持つ「毛母細胞」について解説します。

毛母細胞はどこにあるのか

頭皮の毛穴奥底では髪を作るための様々な細胞や組織が存在しています。
毛穴の中には毛包という筒状の皮膚付属器官があり、髪の根っことなる毛根を包んでいます。
その毛根部分には髪の毛の成長を調整する毛乳頭が存在します。この毛乳頭の周り存在するのが毛母細胞です。

毛母細胞は分かりやすくいうと「髪の毛の元」となる細胞です。

毛母細胞が細胞分裂して髪の毛になる

毛母細胞は毛乳頭細胞からの発毛シグナルを受けることで分裂を行います。
分裂の過程で「ケラチン」と呼ばれるタンパク質が作られます。
ケラチンはシスチンやグルタミン酸など18種類のアミノ酸の結合で構成されており分裂後の毛母細胞と結合することで髪の毛が作られます。

これが繰り返されることによって髪の毛は一定期間まで成長をし続けます。
一定期間を過ぎると、やがて髪は成長を止めて抜け落ちていきます。
しかし、髪の毛が抜け落ちた後の毛包であっても毛母細胞の分裂さえ起きれば、また髪の毛が生えてきます。

「髪の毛は死んだ細胞」と言われることがありますがそれは細胞分裂を終えた毛母細胞によって構成されているためです。

毛母細胞には寿命がある

薄毛やAGA治療を行うにあたり早期治療が重要であることを耳にしたことはないでしょうか。

先ほど少し触れましたが、髪が抜け落ちたあとの毛穴であっても毛母細胞に分裂が起きれば、また髪の毛は生えてきます。

しかし、毛母細胞の細胞分裂回数には上限があります。生命が続く限り、毛母細胞も細胞分裂し続けるわけではないのです。

毛母細胞の分裂回数には個人差がありますが、およそ40回~60回程度となっておりヘアサイクルが「成長期」に突入すると毛乳頭細胞から発毛シグナルが発信され、毛母細胞は分裂をして髪の毛を伸ばします。

しかし、AGA等を発症してヘアサイクルが乱れると正常時よりも短期間で、成長期と休止期を繰り返すことになり、有限である毛母細胞の分裂回数がどんどん消費されてしまうのです。

毛母細胞の分裂回数が残っている内でなければ、薄毛やAGAの治療は非常に困難になります。そのためAGAの場合は発症から5年以内に治療を開始することが多くの病院で推奨されています。

髪の毛の色を決めるのも毛母細胞

毛母細胞は、細胞分裂により髪の毛を作り出すだけでなくその際の髪の毛の色を決める重要な役割も持っています。

毛乳頭などが存在する毛球部にはメラニン色素を保有したメラノサイトがあります。毛母細胞は細胞分裂の際にこのメラノサイトからメラニンサイトを受け継ぎ、髪の毛に色が着くのです。

また、年齢と共にメラノサイトはメラニン色素を作らなくなるため年齢が上がると髪に色が付きにくくなり、白髪が生えるようになります。メラノサイトの働きについては年齢以外にもストレスや遺伝などが関連していると考えられていますが、詳しくは研究中となっています。

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