ミノキシジルとは

AGA治療薬としても有名な「ミノキシジル」。
リアップに含まれることから、大変知名度のある成分のひとつです。
AGA治療におけるミノキシジルについて解説します。

ミノキシジルの概要

ミノキシジルは元々AGA治療のために開発された成分ではないことをご存知でしょうか。
当初は高血圧患者に向けた降圧剤としてアメリカで開発されましたが、服用患者に副作用として多毛症が現れたことから、偶然発毛効果が発見されました。
その後は外用発毛薬として改めて開発が行われ、1988年にはその効果がFDAに承認されたことから薄毛治療の希望として世界中の注目を集めました。

日本では1999年に厚生労働省が認可され、大正製薬からリアップとして発売されたことは記憶に新しいと思います。

ミノキシジルの作用について

厚生労働省にも発毛効果が認められたミノキシジル。
その効果については主に下記3点が挙げられます。

【血行改善】

髪の発毛・育毛にとって血行は非常に重要な役割を持っています。
毛乳頭は頭皮の中をめぐる毛細血管と繋がっており、そこから髪の育成に必要な酸素や栄養を吸収することから、頭皮の血行と健康な髪の毛の育成は大変重要なポイントとなっています。ミノキシジルは血行の弛緩と収縮を調整する機能を持つ血管平滑筋に作用し、血管を拡張させる作用があり、それにより血行が改善され毛母細胞がしっかりと発毛ならびに育毛できる頭皮環境を整えます。

【成長因子の分泌を促進】

髪の毛の素となる毛母細胞が分裂を行うためには「発毛シグナル」が必要です。
ミノキシジルにはこの発毛シグナルを発信するインスリン様成長因子1(IGF-1)や血管内皮細胞増殖因子(VEGF)などの生産を促進する作用があるとされており、これにより髪の毛の発毛と育毛の両方に作用すると考えられています。

【脱毛の抑制】

先ほど「発毛シグナル」について触れましたが、その逆に脱毛を促す「脱毛シグナル」というのも存在します。

AGAの場合は、脱毛シグナルはジヒドロテストステロンホルモンレセプターが結合することにより生産されるトランスフォーミング増殖因子(TGF-β)により脱毛シグナルが発信されます。脱毛シグナルは毛母細胞の細胞分裂を抑制し、髪の毛の成長を止めてしまうため、髪がしっかりと育たずに抜け落ちていく原因となります。

ミノキシジルは脱毛シグナルが毛母細胞に与える影響を抑制し、毛母細胞が正常に細胞分裂を行えるように働きかける作用があります。

ミノキシジルの効果について代表的なものを紹介しましたが実は2017年時点では、ミノキシジルの発毛効果について全容は解明されていません。今後の研究に期待が寄せられています。

男性型脱毛症診療ガイドラインにおけるミノキシジルの評価

公益社団法人日本皮膚科学会が作成した男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)によるとミノキシジルの使用は男女共に効果があると記されています。推奨度も最も高い「A」として記載されていることから、多くの病院で処方されています。

ミノキシジル外用の発毛効果に関し て良質な根拠があるので,男性症例に対して 5%ミノキシジル外用液を外用療法の第一選択薬として,また 女性症例に対して 1% ミノキシジル外用液を男性型脱毛症治療の第一選択薬として強く推奨する.

ミノキシジルの副作用

ミノキシジルの主な副作用としては下記が挙げられます

・塗布部分のかゆみや炎症、乾燥
・血圧上昇
・頭痛
・めまい
・動悸心拍数の増加

AGAや薄毛の治療薬として効果が認められているミノキシジルですが、副作用もあるため用法容量を守って使用することが重要なポイントとなります。
また、男性に比べて女性は頭皮がデリケートである傾向があることから男性と同じ成分量のミノキシジルを使用すると副作用が強くでる場合があります。
そのため、女性がミノキシジルを使用する場合は女性用に調整されたものを使用することが推奨されています。

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