5αリダクターゼとは

テストステロン(男性ホルモン)をAGAの原因となるジヒドロテストステロンへ変換する酵素「5αリダクターゼ」。その概要と作用について解説します。

5αリダクターゼの概要

5αリダクターゼは、私たちの体内に存在する酵素のひとつです。
別名「5α還元酵素」とも呼ばれ体内で生成されたステロイドの代謝やテストステロンと結びつき、ジヒドロテストステロンの生成を行います。

ジヒドロテストステロンはテストステロンよりも強力に作用する男性ホルモンです。
胎児の男性器を発達させる重要な役割を担っており、母体内での発育に欠かすことのできない重要なホルモンのひとつです。

しかし、ジヒドロテストステロンは生まれた後の人体に対して薄毛や前立腺肥大、精力減退などの望ましくない影響を及ぼす「悪玉男性ホルモン」として作用してしまう一面を持っています。

5αリダクターゼがテストステロンをジヒドロテストステロン化するというのも本来は重要な作用ですがAGA治療においては5αリダクターゼの働きを抑制し、ジヒドロテストステロンが生成されないようにすることが非常に重要なポイントとなってきます。

代表的なものとしてはフィナステリド(プロペシア)が5αリダクターゼを抑制する作用を有しており、ジヒドロテストステロンの生成を予め防ぐことでAGAの進行を阻止する治療が行われています。

1型5αリダクターゼと2型5αリダクターゼ

5αリダクターゼには1型と2型の2種類があります。
1型5αリダクターゼは側頭部や後頭部、そして全身に存在します。
2型5αリダクターゼは毛乳頭に存在するため頭頂部前頭部、前立腺に存在します。

AGAは頭頂部や前頭部に脱毛症状が現れる特徴があることから、この2型5αリダクターゼによる影響が大きいと考えられています。先ほど紹介したフィナステリド(プロペシア)も別名「5α還元酵素2型阻害薬」と呼ばれており、毛乳頭内部の2型5αリダクターゼの活動を抑制することでジヒドロテストステロンが生成を阻害する作用となっています。
最近では2016年に1型5αリダクターゼ、2型5αリダクターゼの両方に対して阻害作用を発揮するデュタステリド(ザガーロ)の販売が開始され、より治療の幅が広がりました。

5αリダクターゼの分泌量は遺伝する

5αリダクターゼの分泌量については個人差があり、遺伝によって分泌量が変わるとされています。
両親のどちらか、もしくは両方が5αリダクターゼの分泌量が多い遺伝子を持っている場合は遺伝する可能性があります。

5αリダクターゼの分泌量が多いからと言って、必ずしもAGAを発症するわけではありませんがリスクが高まることは事実です。

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