抜け毛の毛根が白いのは要注意?薄毛との関係とは
抜け毛の毛根についている白い塊は何?
抜け毛の毛根部分の白い塊について気にされたことのある方は多いのではないでしょうか。毛根部分に付着している白い塊はいくつかの種類があり、問題がある場合とない場合とに分けられます。
以下、それぞれの場合について解説していきます。
毛根が白っぽい、もしくは白く透き通った塊が付いている
抜け毛の毛根自体が白くなっていたり、毛根部分に白く透き通った塊が付いていたりする場合は特に問題ないといえます。
毛根が白い色をしているのはおかしなことではありません。髪の毛はヘアサイクルに従って成長期→退行期→休止期を繰り返していますが、休止期には毛髪の色素を形成する細胞が活動を停止するため、色素が不足することによって毛根が白色になります。
抜け毛とは休止期の毛髪が抜け落ちたものなので、毛根部分が白くなっているのは正常なヘアサイクルが維持されている証拠でもあり、心配する必要はないのです。
毛根部分に白く透き通った塊が付いている場合も同様に心配無用です。この塊は毛根鞘(もうこんしょう)と呼ばれるもので、毛根を皮膚に接着させる働きをしています。
毛根鞘は毛髪が抜け落ちるときに通常、一緒に抜けてしまいます。しかし、毛根鞘が抜けても毛母細胞がある限りは再び同じ場所から毛髪はいくらでも再生することができるのです。
このため、抜け毛に半透明の付着物がついている場合も白い塊と同様に不安になる必要はないといえます。
ベタベタした白く濁った塊が付いている
それでは問題のある抜け毛の毛根とはどのようなものなのでしょうか。
代表的な例としては白く濁った塊がついている毛根があげられます。さらにこの塊を触ったときに、ベタベタと粘着感があるような場合、この塊は毛根鞘ではなく皮脂の可能性が高くなります。
毛根鞘が半透明をしているのに対して皮脂は真っ白で濁った色をしています。皮脂は頭皮を乾燥から保護するなどの働きをする一方で過剰に増えるとフケや悪臭の原因ともなり、マラセチア菌などの雑菌が繁殖する温床ともなります。
ひどい場合には脂漏性皮膚炎を起こすこともあり、深刻な脱毛につながることもあります。濁った色の毛根はこのように皮脂が過剰に分泌されていることのサインでもあるため、注意が必要といえるのです。
またこれ以外にも、毛根に不透明な塊が先細るようについているような場合も危険信号といえます。
この不透明な塊は毛根鞘が部分的に剥げ落ちたもので、これが先細るようについていることは毛髪が成長している途中で強い力により抜け落ちたことを意味します。
これは頭皮に何らかの好ましくない外部的な力が働いている証拠でもあり、頭皮環境の乱れにつながる可能性もあり注意が必要です。
要注意なのは毛根が黒い抜け毛
抜け毛の毛根が黒くなっている場合は要注意です。なぜなら黒い毛根は薄毛のサインである可能性が高いからです。
休止期の毛髪が抜け落ちた場合は毛根が自然と白くなっているため心配いらないことは先ほど説明しましたが、これとは逆に毛根が黒くなっている場合は毛髪が休止期ではなく成長期に抜け落ちてしまったことを意味します。
毛根鞘が黒いということはメラニン色素が作られている成長期の最中であることの証であり、成長期であるにも関わらず毛髪が抜け落ちていることになります。
プリンタでたとえるならば、インクが空っぽ(=休止期)になって印刷ができなくなるのは正常な反応ですが、黒インクがたっぷり詰まっている(=成長期)にも関わらず印刷ができなくなるような状態と考えてもらえれば良いでしょう。
これは何らかの原因によって正常なヘアサイクルの進行が妨げられていることを示しており、薄毛が発症する危険信号となります。
このような状態を放置しておくと深刻な薄毛が発症する可能性もあり、早めに対策を取ることが求められます。毛根が黒いだけではなく先細りしているような場合には円形脱毛症を発症している可能性も考えられます。
このような場合は手で頭皮を触ったり鏡や写真で入念に確認してみましょう。その際に円形脱毛症が発見された場合は早急に皮膚科を受診することをお勧めします。
円形脱毛症はAGAなどと違って保険診療が適用されるため、AGA専門クリニックよりも保険診療をやっている病院やクリニックの皮膚科を受診する方がよい場合もあります。
抜け毛をチェックして対策を検討しよう
家族や親戚に薄毛の人が多い、最近年齢とともに髪の毛が良く抜けるようになったなど、AGAや薄毛が気になる方は普段からご自分の抜け毛の状態をよく確認しておくことをオススメします。
そのうえで、さきほど説明したような危険な抜け毛の兆候に当てはまる場合は一度クリニックなどを受診して正確な検査を受けられるとよいでしょう。
薄毛は早期対策が何よりも大切といわれています。異常な抜け毛に気づいた場合でも直ちに対策を取ることで薄毛の進行を抑えることも十分に可能となります。
皮膚科や専門クリニックではマイクロスコープなど最新の設備を駆使して一人ひとりの頭皮環境や皮脂の分泌量などを正確に測定し、治療の必要性を判定してくれます。
後から後悔することのないようにできるだけ早めの対策を心がけるようにしてください。
また、受診以外にも日常生活を改善することで頭皮環境を整え、異常な抜け毛を減らすことも可能になります。
具体的には以下に示すような点に注目してみるとよいでしょう。
ヘアスタイルや抜毛症を見直す
髪の毛をきつく縛り上げ頭皮に常に力がかかるような髪型にしている方はまずはヘアスタイルを変更してみることをお勧めします。
また、中には毛髪を一本ずつ引き抜くのが癖といういわゆる抜毛症の方もいらっしゃいますが、こうした癖は頭皮に負担をかけ、異常な毛根を作り出す原因ともなりますので今すぐに改めるようにしましょう。
シャンプーの種類を見直す
頭皮の過剰皮脂分泌は使用しているシャンプーによって引き起こされていることもあります。
ドラッグストアなどで大々的に展開されている洗浄力の強い石油系のシャンプーなどを使うと、皮脂が過剰に洗い流されることで頭皮が新たな皮脂をどんどん分泌し、洗浄前よりもかえって皮脂の量が多くなってしまうというような状態にもなりかねません。
シャンプーはできるだけ刺激が少なく洗浄力もマイルドなアミノ酸系成分を中心とする商品を選択するようにしましょう。ドラッグストアなどではあまり見つからないという場合でも、インターネットでは数多くの製品が売られており、手軽に入手することができます。
食生活の見直し
普段から油っこいものやトランス脂肪酸を過剰に含んだ物を摂取している人はどうしても皮脂の分泌量が多くなってしまいます。抜け毛の毛根は頭皮環境を直接反映する鏡です。異常な毛根に気づいた今は、乱れた食生活を見直すための良い機会となります。
これを機に、マーガリン、牛脂、スナック菓子、菓子パン、マヨネーズ、インスタントラーメンなどの頭皮に悪い食べ物はできるだけ避けるようにしましょう。
そのうえで、タンパク質、ビタミン、ミネラルをバランス良く含んだ食事を3食しっかりととることを心がけましょう。
睡眠時間をしっかりとる
抜け毛の黒い毛根はヘアサイクルの乱れを表しており、毛髪が十分に成長できていないことを意味しています。毛髪の成長・発育には十分な睡眠が不可欠です。寝ている間に分泌される成長ホルモンの働きにより毛母細胞の分裂が活発化します。
日常的に夜更かしをしているという人は生活習慣を改め、早寝早起きを心がけるようにしましょう。
まとめ
抜け毛の状態や毛根部分の色・形を観察することで、髪の健康状態もチェックすることができます。毛根部分に白い塊が付いていた場合、白く透き通っているのかもしくは濁っているのかなども確認してみてください。
もし白い塊が皮脂だった場合は皮脂を念入りに落とそうと思うかもしれませんが、力を入れてシャンプーしたりすると頭皮が傷ついてしまい却って抜け毛の原因となることもあります。優しく頭皮マッサージを行いながら髪を洗うようにしましょう。
また、毛根部分が黒い抜け毛はヘアサイクルの乱れが起きている可能性があります。同様の抜け毛が大量に発生している場合は放置せずに医師に相談するのがオススメですよ。
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