頭皮にもカビが生える!その原因と対策

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その頭皮トラブルはカビのせいかも

カビというと食べ物に発生するようなイメージがあると思いますが、実は頭皮にもカビが生えます

カビとは真菌類の一種で、自然界には数万種類ものカビが存在しています。
これらの多くは人体にも何らかの影響を及ぼしており、時として気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんましんなどのアレルギー症状を引き起こします。

カビの中には人体に生育するものもあり、有名なものとしては水虫を起こす白癬菌や、カンジダ症を引き起こすカンジダ菌などが知られています。

こうしたカビは、通常、健康な人の身体にはそれほど悪影響を及ぼしませんが、病気などで抵抗力が弱った人では繁殖が活発化し、時として大きな疾患の原因となることもあります。

人体に存在するカビはこれだけではありません。人間の頭皮にはマラセチア菌と呼ばれる常在菌が生育しています。これは病気の人に限らず、健康な人も含むすべての人の頭皮に一定量存在しているカビの一種です。

マラセチア菌は常在菌であるため、通常の生育量でしたら問題ありませんが、何らかの原因により異常繁殖した場合には深刻な被害を及ぼす可能性があります。

頭皮に生じる原因不明のトラブルはこうした常在菌の異常繁殖により起こっている可能性もあるといえるのです。

なぜ頭皮にカビが生えるの?

マラセチア菌は多湿の環境を好みます。
皮脂の分泌量が多い人の頭皮は蒸れていて湿潤環境にあるため、マラセチア菌が繁殖するのに適した状態となります。

また、マラセチア菌は皮脂そのものを餌として繁殖するため、この点からも皮脂が多量に分泌されている頭皮はマラセチア菌にとって格好の繁殖場所となってしまうのです。

マラセチア菌が繁殖しやすくなるその他の要因としては宿主の免疫力低下もあります。

健康な人では免疫の働きにより過剰に繁殖したマラセチア菌を排除することができますが、栄養不良や疲労などにより免疫力が弱っていると、菌が好き放題に繁殖してしまい、様々な悪影響を及ぼすこととなります。

このような頭皮にカビが生えやすい環境を形成してしまう人には以下のような特徴があります。

シャンプーの選び方やシャンプーのやり方が間違っている

頭皮にカビが生える主な原因に皮脂の過剰分泌があることは説明しましたが、この皮脂の過剰分泌を引き起こす原因の一つにシャンプーがあげられます。間違ったシャンプーで頭皮を洗浄したり、正しいやり方でシャンプーをしなかったりすると、皮脂の過剰分泌につながります。

皮脂の分泌に悪影響を与える代表的なシャンプーに石油系シャンプーがあります。このタイプのシャンプーは強力な洗浄力によって頭皮にたまった皮脂を根こそぎ取り除きます。

皮脂は頭皮を守る働きもしています。このように極端に皮脂が不足した状態だと生体が過剰に反応し、頭皮を守るために大量の皮脂を産生してしまいます。

これによって、シャンプーをする前よりもかえって多くの皮脂が分泌されてしまい、カビが生育しやすい環境になってしまうのです。

シャンプー選びと同様に、間違ったシャンプーのやり方も皮脂の過剰分泌を招きます。

1日に何回もシャンプーをしたり、1回のシャンプーに時間をかけ過ぎたり、あるいはシャンプーを過剰に使い過ぎたりすると、やはり皮脂が過剰に洗い落とされてしまいます。
するとさきほど説明したようなメカニズムによって皮脂の分泌量が増加し、常在菌の過剰な増殖につながる可能性があります。

また、すすぎに十分な時間をかけずにシャンプーが頭皮に付着したままだと、頭皮にこびりついたシャンプーや皮脂が原因となってカビが繁殖し、脂漏性皮膚炎を起こす可能性もあります。

頭皮が蒸れやすい環境にある

カビは高温多湿の環境を好むため、頭皮が蒸れやすい状態で日常生活を過ごしている方は注意が必要です。よくある例としては帽子やヘルメットをかぶる仕事に従事している場合があげられます。

特に夏場に長期間ヘルメットなどをかぶっていると、内側は蒸し風呂のような状態になり、マラセチア菌の格好の繁殖場所となってしまいます。

免疫力が低下している人

もともと病弱な体質であったり、極度な疲労が蓄積していた入りして免疫力が大きく低下している人では常在菌が異常繁殖をする可能性が高まります。

カビを始めとする微生物は宿主の防御機構が弱まるととたんに悪さをし始めるので、抵抗力が弱っている人はカビの格好の餌食となってしまいます。

頭皮のカビを対策しよう

ドライヤーで髪を乾かす女性

頭皮のカビの原因となるマラセチア菌は皮脂を栄養分として繁殖するため、マラセチア菌の異常増殖を抑えるためには皮脂の過剰な分泌を抑えることが重要になります。

皮脂の分泌を抑えるための重要なポイントはシャンプーです。正しいシャンプーを正しい方法で使うことで、皮脂の分泌を適度な量に保つことが可能になります。

具体的には以下のような点に注意してください。

正しいシャンプーを選ぶ

ラウリル硫酸Naやラウレス硫酸Naなどの成分を含む、石油系と呼ばれるシャンプーは過剰な洗浄力をもつことでかえって頭皮にカビが繁殖する原因となります。

このためシャンプーは、頭皮への刺激が少なく皮脂も洗浄力も適度なアミノ酸系のものを選ぶようにしましょう。具体的には薬用シャンプーやスカルプシャンプーなどと呼ばれるシャンプーを中心に選択します。

特に、薬用シャンプーの中にはサリチル酸やピロクトンオラミンなどの殺菌成分を含むものもあり、これらの成分は頭皮の菌を除去したり皮脂を分解する働きがあり、頭皮のカビには大きな効果を発揮します。

シャンプーを正しく使う

正しいシャンプーのやり方を理解しておくことも頭皮のカビの対策にはとても重要です。シャンプーをするときは38℃くらいのぬるま湯を使って頭皮に過剰な刺激を与えないようにしましょう。

また、シャンプーはしっかりと泡立ててから付けることですすぎの時にも落としやすくなります。必要に応じて市販の泡立てネットを使うなどしてください。

シャンプー後に頭皮をすすぐときには特に念入りに行うようにしましょう。見た目には頭部にシャンプーが残っていなくても細かな粒子がこびりついていることはよくあり、これが頭皮トラブルの原因にもなります。
すすぎには少なくとも3分以上の時間をかけ、ムラなくシャンプーを洗い落とすようにしてください。

お風呂上がりはドライヤーでしっかりと髪を乾かす

お風呂上がりに髪を濡らしたままにしておくと、頭皮周辺の湿度が高まり、常在菌の繁殖を促進させてしまいます。お風呂上がりはドライヤーを使ってできるだけ早く髪を乾燥させることを心がけてください。

免疫力を高める

皮脂分泌の抑制以外に考えられる頭皮カビの対策として免疫力の強化があげられます。多量の飲酒や喫煙は免疫力を低下させる原因になるので避けるようにしましょう。

同様に疲労や睡眠不足にも注意が必要です。疲れをためないように最低でも毎日6時間以上は睡眠をとることをお勧めします。睡眠は免疫力を高めるだけでなく、毛髪の成長にもプラスの作用をもたらすので積極的にとるようにしましょう。

免疫力を維持するためには紫外線を避けることも重要です。

頭皮が多量の紫外線を浴びるとダメージを受けてしまい、免疫力も低下するといわれています。このため、春~夏にかけて紫外線の量が増える時期には帽子をかぶるなどして頭皮をしっかりと守ってあげましょう。

糖尿病などの生活習慣病にかかっている方は免疫力が低下しやすい傾向にあります。

生活習慣病を完治させることは難しいですが、専門医の元できちんとした治療や指導を受けることで、免疫力に対する悪影響を最小限に抑えることができます。

まとめ

頭皮にカビが生えるのを防止するには頭皮を清潔に保つこと、免疫力を高めることがポイントとなります。
毎日ちゃんとシャンプーしてるのに、頭皮トラブルが絶えない…という方はシャンプーのやり方を改めることや、できるだけ頭皮が蒸れないような工夫を取り入れてみましょう!

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