t-フラバノンとは

t-フラバノンの作用や効果について解説します。

t-フラバノンの作用

【毛母細胞の分裂促進】

髪の毛の素となる毛母細胞が分裂することで髪の毛が作られます。
t-フラバノンには毛母細胞の分裂を促す作用があることから、発毛および育毛効果があります。

【脱毛シグナルを発信するTGF-βの働きを抑制】

AGAは男性ホルモンの一種ジヒドロテストステロン毛乳頭細胞内でホルモンレセプターと結合するとTGF-βというタンパク質が生成されます。
TGF-βは脱毛シグナルを発信して髪の素となる毛母細胞に対して細胞分裂の抑制ならびに細胞死を促します。

t-フラバノンにはこのTGF-βの活性化を抑制する効果があり、髪の毛が正常に成長できるよう働きかける効果があります。
髪の毛が太くコシのあるしっかりとした毛髪に成長することによって、抜け毛や薄毛の改善にもつながることからAGA治療薬としてもその効果が期待されています。

男性型脱毛症診療ガイドラインにおけるt-フラバノン

公益社団法人日本皮膚科学会が作成した男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)ではt-フラバノンを用いた治療について下記のように記しています。

t-フラバノンの発毛効果に関しては, 有効性を示すエビデンスレベルの高い試験があるが数 が少ない.しかし,副作用が軽微な点も考慮し,外用 療法の一つとして推奨することにする.しかし,女性 ではその有益性は不明である.

なお、t-フラバノンの開発を行った花王によると男性・女性それぞれの薄毛治療効果について下記のように紹介しています。

男性の被験者197名による30週間の使用試験では、t-フラバノンを使用した場合に、成長期の髪の数が増加し、髪が太くなる傾向がありました。また、男性の被験者8名による6カ月間の使用試験では、t-フラバノンを使用した場合に、洗髪時の抜け毛の数が減少する傾向がありました。

女性の被験者による6カ月の使用試験では、t-フラバノンを使用すると、髪が太く、本数が増える傾向がありました。その結果、女性の薄毛にみられる、髪の分け目の目立ちが緩和されることがわかりました。

男性型脱毛症診療ガイドライン(2010年版)の中では、推奨度としてはABC順で三番目に高いC1(行うことを考慮してもよいが十分な根拠がない)が設定されていますが、今後の研究次第で推奨度が上がる可能性もあります。

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