円形脱毛症とは

頭皮の一部に脱毛症状が起きる「円形脱毛症」。AGAの症状と間違われやすい症状の一つですが、全くの別物です。円形脱毛症の症状や原因について解説します。

円形脱毛症の症状

円形脱毛症とは、頭髪および体毛の脱毛症状を引き起こす自己免疫疾患の一種です。
脱毛の範囲は小指の先程度の小さなものから~十円玉や五百円玉程度のものまで人により脱毛範囲の大きさが異なります。

AGAと間違われやすい脱毛症の一種ですが、突然一部分だけ脱毛症状が現れた場合には円形脱毛症を疑う必要があります。

円形脱毛症の種類

円形脱毛症は通称「五円ハゲ」や「十円ハゲ」と呼ばれることから頭髪の一部が円形に脱毛するイメージをお持ちの方も多いと思いますが、実は様々なタイプがあります。

1か所だけ脱毛が起きる「単発型」
2か所以上脱毛が起きる「多発型」
多発型の症状が進行し、脱毛部分が結合して髪の毛がすべて抜け落ちる「全頭型」
細長く広範囲に脱毛する「蛇行型」
すね毛やひげなど全身の体毛が抜け落ちる「汎発型」

単発型が多発型や前頭型に移行する場合や、広範囲にわたって脱毛症状が起きる場合等もあります。
また、AGAと異なり幼児や子供も発症する特徴を持っています。

円形脱毛症の原因

【自己免疫疾患】

円形脱毛症の主な原因とされているのが「自己免疫疾患」です。
通常であれば免疫機能は、外部からの刺激や侵入に対して攻撃を行い私たちの身体を守ってくれます。

しかし、何らかの異常が起きて「自己免疫疾患」が生じると免疫機能の攻撃が体内の機能に向いてしまいます。

円形脱毛症の場合は、免疫機能の一つであるCD8陽性Tリンパ球が毛根組織を攻撃してしまうことで、ある日突然脱毛症状が起きると考えられています。

自己免疫疾患が起きる原因自体については不明な部分が多く今現在も研究が進められています。

【ストレス】

精神的なストレスによっても円形脱毛症が引き起こされると考えられています。

私たちの身体には自律神経というものが備わっています。自律神経は24時間、体温や代謝、呼吸器、消火器など生命維持に欠かすことのできない機能を調整してくれる神経です。活動時や興奮時に活発になる「交感神経」と睡眠時やリラックス時に活発になる「副交感神経」の2つから成り立っています。

この2つの神経は全身の血管にも深い関わりがあり交感神経が活発な時は収縮し、副交感神経が活発な時は弛緩するようになっています。正常な血行を保つためには、血管の収縮と弛緩の両方が必要です。交感神経と副交感神経がバランスの取れた状態であることが重要なポイントとなります。

ストレスによって興奮状態が続くと交感神経が活発になり続け血行不良を引き起こします。血行不良になると、頭皮にも大きな影響を与えます。健康的な頭皮を保てなくなり、髪を育てる毛根への栄養補給が正常に行われなってしまい最終的には円形脱毛症やAGA等の薄毛、抜け毛症状につながってしまいます。

ただし、大人よりもストレスを感じづらいはずの幼児や子供にも円形脱毛症症状は起きることから、ストレス自体は脱毛症状を誘発する要因の1つに過ぎず、自己免疫疾患やウイルス感染、アレルギー反応など複数の要因が絡み合って脱毛症状につながっているのではないかという説もあります。

【遺伝による脱毛】

日本皮膚科学会によると円形脱毛症は遺伝する可能性があるとされています。

患者さんの2割程度に家族内発生、つまり血縁の家族にも円形脱毛症があります。円形脱毛症は人間では一定割合で必ずなる人がいて、また、なりやすい素質が遺伝しているようです。

100%遺伝するという事ではありませんが、お子様への遺伝が心配な場合はこまめな頭皮・毛髪チェックと栄養の取れた食事、睡眠時間、生活習慣を心がけると良いでしょう。

円形脱毛症の治療

幼児から大人まで発症する可能性がある円形脱毛症ですが治療方法は様々です。脱毛箇所が少なければ自然治癒する可能性が高いです。逆に、脱毛箇所が多数ある場合や、脱毛症状が長期間に及ぶ場合は治療に数年を要することもあります。

治療方法の一例として下記が挙げられます。
・ステロイドやセラファチンなどの内服薬
ミノキシジル塩化カルプロニウムの外用薬
・ステロイド局注、局所免疫療法など施術による治療

どのような治療を行うかは、症状や脱毛範囲等によって異なります。
治療にあたり日本皮膚科学会でガイドラインも制定されていますので詳しく知りたい方は是非ご覧ください。

日本皮膚科学会 円形脱毛症診療ガイドライン2010

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